サクラメントの櫻弁当

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zoom RSS なんで太ると糖尿病になるか?

<<   作成日時 : 2018/02/13 00:13   >>

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と、今までずっと不思議に思っていました。巷では、「体重を落とせ、痩せろ」としょっちゅう言われています。しかしながら、

画像
「病の草紙」より
インターネットから拝借した画像


なぜそうなのかという説明はあまり見かけません。

ただ単に痩せろ痩せろと言われるより、太ったらああなってこうなってどうなるから糖尿病になると説明してもらえる方が説得力があるような気がするのです。

こういうへそ曲がりは櫻弁当だけかもしれませんけどね。それに櫻弁当は別に太っているわけではありませんよ。私のBMI値は理想的な20.8であります。 

話をもとにもどして(笑)そんなわけで、インターネットでいろいろ調べていたら、2005年にハーバード大学の先生が書いたとてもわかりよい論文を見つけました。

この論文の話に入る前に、大人になって発症するU型糖尿病とはどういうことかちょっと説明します。

小腸で消化された糖質は吸収され血流に入ります。だからご飯を食べると健康な人でも血糖値が上がります。するとインスリンが分泌され、細胞の表面にあるインスリン受容体に結びついて「エネルギーの素になるブドウ糖がきましたよ〜。細胞の中に取り込んで使いなさいよ〜。」というシグナルを送ります。すると健康な状態では、細胞はブドウ糖を取り込んでエネルギーとして使います。そして血糖値も元に戻ります。

ところが、U型糖尿病になるとインスリンがインスリン受容体に結びついてもシグナルが十分に伝わりにくくなります。(因みにT型糖尿病は、インスリンそのものを作らなくなるのでインスリン受容体はシグナルが出せません。)

それで、細胞は血中のブドウ糖を効率よく取り込まなくなります。血中のブドウ糖は行き所がなくなり高血糖症になります。血中の高濃度のブドウ糖は、血管内のたんぱく質にベタベタくっ付き悪さをし始めます。それで、神経障害や網膜症を引き起こしたり腎機能を損傷し始めます。

因みに、糖尿病検査のA1cはブドウ糖がくっ付いたヘ血中のヘモグロビンを測定しているのです。ヘモグロビンは赤血球の赤い色のたんぱく質で酸素を体中にはこびます。このA1c値からどれぐらい血糖が悪さをし始めているかが判断できます。

さて、ここから論文のどうしてこういう状態が肥満と関係があるのかという方向に話を持って行きたいと思います。

まず、ヒトも含んで動物には脂肪をため込むことのできる脂肪細胞があります。脂肪細胞は、飢饉など食料から十分にエネルギーを摂取できない事態になると、ため込んだ脂肪を使って危機を乗り越えます。

次の食べ物がいつ得られるかわからない動物や食べ物の生産が一定していなかった昔の人類にとっては、これは生存のためになくてはならない機能です。
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脂肪細胞の図
黄色い部分がため込んだ脂肪です。
インターネットから拝借した画像


脂肪細胞は脂肪組織はを作り上げ、体の温度を保ったり衝撃から守ったりして体を守ります。最近では食欲をコントロールするレプチンとか細胞内の脂肪酸を燃焼しインスリンの働きをサポートするアディポネクチンなどのホルモンを分泌するなど内分泌器官の役割のを果たしてることをも分かってきました。
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脂肪組織の写真
インターネットから拝借した画像

でも、いくら脂肪細胞といえども脂肪をため込むにも限度があります。肥満は、エネルギーを摂りすぎてこの脂肪細胞中の脂肪が異常に大きくなり、脂肪細胞自体にストレスがかかり「もう十分だ〜、もういらない、やめてくれ〜。」と悲鳴を上げている状態です。

もちろん、脂肪細胞は「やめてくれ〜」と声に出して言うわけはありません。その代りに炎症を引き起こす様々なホルモンを分泌するようになります。

一番最初に見つかった肥満による炎症性物質は、1993年で人工的に肥満させたネズミによるTNF-αという名前のホルモンです。その後、ヒトも肥満するとTNF-αが分泌していると証明され、その他の炎症性ホルモンも同定されました。

最近では、この炎症性のホルモンがインスリンのシグナルの伝達の効率を悪くしているとわかってきました。まぁ、考えてみればエネルギーを蓄積する役割の脂肪細胞がエネルギーの過剰を感じ取って、これ以上エネルギーを取り込むのを止めようとするのは当たりまえというか、自然はよくできたものです。

でも、自然はよくできているとのんきに感心している場合ではありません。行き場のなくなった血中のブドウ糖は確実に悪さをします。

それをくいとめるためなんとかしなくてはいけません。つまり、脂肪細胞が「やめてくれ〜」と言わないように脂肪細胞を適度の大きさにに保とうというわけです。これは、すでに太ってしまった人にも、まだ体重はOKな人にも言えることです。

さてそれはどうやって達成するかというと、食事(カロリーの取り込み)と運動(カロリーの消費)ですね。片方だけでは難しいです。(でも運動と言ってもスポーツ選手みたいなことはしなくてもいいのです。この話は長くなるのでまた後で。)

この論文のこれまでとは違う新しい見解は、ストレスのかかった脂肪細胞が炎症性ホルモンを分泌している状態は、体中が軽度ながらも慢性的に炎症を起こしている状態だと解釈していることです。つまり、U型糖尿病は炎症性の病気であるととらえていることです。

最近では、U型糖尿病だけではなく、脂肪肝、高脂血症、慢性閉そく性肺疾患、動脈硬化なども慢性炎症による疾患とみられ、お互いつながりがあると認識され始めています。

この論文の表題は「Inflammation, stress, and diabetes(炎症、ストレスと糖尿病)」です。興味がある方はぜひ↓の原文をお読みください。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1087185/


<おまけ> - 痩せると脂肪細胞は減るか?

残念ながら痩せても脂肪細胞の数そのものは減りません。脂肪細胞は、カロリーを消費してため込んだ脂肪を使っても縮むだけなのです。

脂肪細胞の数は子供の頃に太ると増えます。大人になって太ると、脂肪細胞の数が増えるわけではなく、すでにある脂肪細が膨らみます。(Spalding KL et al. (June 2008). "Dynamics of fat cell turnover in humans". Nature. 453 (7196): 783–7. より)

したがって、子供の頃に太って脂肪細胞の数を増やしてしまうと、大人になっても太りやすいであろうと思われます。

先ほどにも言ったように脂肪組織には内分泌器官の役割もあるとすると、考えてみれば、脂肪細胞の数が一定なのは理にかなっているのかもしれません。

話が逸れますが、USで一番行われている美容整形手術の一つに脂肪吸引があります。個人的な見解ですが、こんなことをして無理やり脂肪細胞を減らして健康に良いのかどうか疑問です。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
なるほど~~です。
子供の頃に太っていると数が多くなるので大人になっても太りやすい!って事なのですね。。
年齢的に痩せると顔も皺になりやすいと思うので、すこしぽっちゃりがいいなぁ。。と思いますが…服が入らなくなるのも…困ります~~
ballomam
2018/02/13 13:42
子供のころふとっていたかというと、それほどでもなかったようなのですが、多少昔のアルバムを探してみると、たしかに、ちょっと健康優良児体系のころがあったように思います。
当時の健康優良児は、今の肥満児ですから、体制の考えは、わかりません。
昨年の退院時より太ってしまったので、またバランスよく痩せたいと思いますが、彼女と飲みに行くと、何でもおいしく感じてしまいますので、危険です。(笑)
あきらかに、病院食よりおいしいものを食べているので、食欲も出ています。10代のころは、COKE飲み放題のような生活していたし、学生のころはアイスコーヒー飲み放題の暮らしでした。
今は糖を制限するよう注意しています。空腹時の血糖値はそこそこ気になりますが、バイパス手術の時の血液状態は、手術できないような糖尿病にかかってはいないといわれています。
町医者の一か所では、糖尿病予備軍、いやいや糖尿病と決めつける医者もいます。態度に不満を感じて、主治医を変えたところ、糖尿病ではないけど、血糖値が高いので、抑制していこうねと言われています。
はたして、手術先の判断が正しいのか・・?
基本自主的に糖の制限を行っています!
ベランダ脳負(FREEHAND)
2018/02/13 15:35
自慢ではありませんが僕は糖尿病のプロです(笑)
40年代後半にドクター西野にそう宣言された時には今でいうA1Cで7.5もありましたが、努力の甲斐があったのでしょうか?今は6.2と落ち着いていて、主治医から優等生と褒められる存在になっています(笑)
さて、日本では厚労省主導の肥満と糖尿病の因果関係の啓蒙が進んでいるので、痩せることの意味を理解している人が多いと思います。
しかし、年金制度の破綻という側面からみると老人は順番に死ぬべきなのに、今は健康に長生きすることがブームになっていて、僕のような年齢を無視した食べ歩きは、ある種の軽蔑を持って見られるやり難い世の中になって来ました。
そんなことを考えるのは、もしかしたらうつ病なのでしょうか?
糖尿病を長く患っている人はすい臓がんに気を付ける必要があるかも知れませんね。

2018/02/14 23:26
ballomamさん、

大人になってからは脂肪細胞の数そのものは変わらないそうなので、子供の時に増やしてしまうと太りやすいようですね。
皺は、ぽっちゃりしているかどうかよりも紫外線などで皮膚を傷めたららなりやすいみたいです。白人は小麦色の肌に憧れるらしく若い時に太陽に当たるのが好きなので、まだ50代で見る影もなく皺皴になる人がいます。
私は、体重は若い時から変わらないのですが、お肉の分布は変わったような気がします。(笑)
櫻弁当
2018/02/15 11:33
ベランダ脳負(FREEHAND)さん、

健康優良児、そういうのありましたね〜。昔と今では健康についても知識や認識が変わってきたので、今ではあんまり勧められる事でもありませんね。それどころか、USではチャイルド・オビーシティ(child obesity)といって、前大統領の奥さんのミシェル・オバマが予防しようとさかんにキャンペーンしていました。
お医者さんは、ある意味では客商売ではないでしょうか。患者とうまくコミュニケーションをとらなくてはならないはずなのに、そちらの部分がきわめて下手な人がいます。しっくりしないのならお医者を変えてよかったと思います。
血糖値は高いけれどまだ糖尿病ではない、というのはきっとA1cを見て、ブドウ糖はまだそれほど悪さをしていないのではないかと思います。この時期なら、生活習慣を変えるともとにもどるそうですよ。頑張って下さいね。
櫻弁当
2018/02/15 11:53
達さん、

アララ、糖尿病のプロなのですか?いつも、ドクター西野やその後の先生に定期健診に行かれていたようなので、大丈夫なのだと思っていました。
A1cが7.5から6.2に下がったのはとても素晴らしいことです。
肥満と糖尿病について調べると、「太るとインスリンが効きにくくなるので、膵臓ではもっと盛んにインスリンを作っているうちに疲弊してインスリンが作れなくなる」という説明をよく見かけます。私が知りたかったのはなぜ「太るとインスリンが効きにくくなる」のかということでした。だって、この部分が糖尿病のいちばんのきっかけだからです。それを「太るとインスリンが効きにくい」と一言で飛ばしてもらっては困るのです。(笑)でも、このハーバード大学の論文で、太りすぎた脂肪細胞は炎症性のホルモンを分泌するとわかり、あぁそうなんだと納得しました。(笑)
たしかに、人間は順送りというか、人口の釣り合いが取れている方がいいと思います。でも、出来ることならメタボやロコモにならずシャキシャキ元気で人に面倒を見てもらわないで、ある日パタッと死にたいです。(笑)
食べ歩きができる間は、食べ歩きして楽しむのが一番いいですよ。
たしかに、糖尿病とすい臓がんは関連があるようですね。いまのところ、鶏と卵みたいにどちらがどちらの原因なのかはっきりしていないみたいですが。
櫻弁当
2018/02/15 12:29

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