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zoom RSS 「サンタ・ルチア・バンズ」♪ − スウェーデンのパン − メリケン粉シリーズNo.50

<<   作成日時 : 2017/11/10 00:33   >>

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サンタ・ルチア・バンズ(Santa Lucia buns)っていったい何でしょう?バンズは、ロールと同じように小型のパンです。食パンのように切り分けたりはせず、通常そのまま食べます。では、サンタ・ルチアは

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どういう意味なのでしょう。「何たることかサンタルチア」という(おやじ?)ギャグや「サンタァ〜ルチィ〜ア、サンタァ〜ルチィ〜ア♪」というイタリアの歌とかで耳にします。

サンタ・ルチアは、実在の女性で聖ルチアという意味です。3世紀に現在のイタリアのシチリア島のシラクサに生まれ、304年に推定年齢21歳で殉教しました。

ルチアは、Luciaという綴りで、ラテン語のlux(ルークス、光の意)から由来した名前です。因みに英語名ではルーシー(Lucy)になります。

ルチアは地位が高く裕福な家庭に生まれました。でも、5才のときにローマ人の父親を亡くしました。ルチアはキリスト教を信じるようになり、結婚せずに神様に操を捧げ自分の財産は困っている人たちに分け与えようと決心しました。ギリシャ系の母親はそれを知らず、キリスト教徒ではない地方の金持ちの息子とルチアの結婚を決めてしまいました。

この金持ちの息子はルチアが結婚を同意しないことに腹を立て、地方の役人にルチアがキリスト教徒であることを密告しました。

ちょうどこの頃、ローマ帝国はテトラルキア(Tetrarchia, 英語ではTetrarchy)という時代で、スペイン、ポルトガルのあるイベリア半島から地中海の周りをグルッとめぐって北アフリカにまで広がる広大な領土を占めていました。
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テトラルキア時代の
ローマ帝国の領土

この時、ローマ帝国は4つの地域に分けられ、2人の正帝、2人の副帝から成る4人の皇帝によって治められていました。因みに、テトラルキアはギリシャ語由来で、tetraは4という意味でarchは統治者という意味です。

ルチアにとって運が悪かったのは、303年からディオクレティアヌスを含む4人の皇帝が次々にキリスト教禁止令を出し、キリスト教徒を厳しく弾圧し始めたことです。キリスト教徒がライオンの餌にされたのはこの頃のことです。

ルチアは逮捕されてもその場所から動かず、何頭もの牛で引きずっても動きませんでした。次には周りに薪が積み上げられ火がつけられましたが、焼けませんでした。次には目をくりぬかれましたが、なぜか目が見えるのでした。そして最後に剣を刺されて死んだという風にキリスト教では伝えられています。

火を点けられたのに燃えないとか目をくりぬかれても見えるとかは信憑性に欠けますが、たぶんルチアは惨い目にあったのでしょう。人の痛みや苦しみのわからない人はほかの人に残酷なことをするものです。

聖ルチアはシラクサ(英名はシラキュース、Syracuse)の守護聖人です。加えて、名前の由来が光であること、目をくりぬかれたことなどから、盲人や視力障害者の守護聖人でもあります。さらに、面白いのはセールスマンの守護聖人でもあります。
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聖ルチアの像
インターネットから拝借した画像

聖ルチアは像や絵画では、通常目玉を乗せたお皿か容れ物を持っているように描かれます。

この像では右手(向かって左)にそれが見えます。そして、ご丁寧にも首に剣が突き立てられています。
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さて、キリスト教の聖人歴によると12月13日は聖ルチアの日だそうです。この日は16世紀にグレゴリオ暦に改訂される前は一番暗い冬至と重なっていたらしく、聖ルチアを祭って光の祭りになるそうです。

ことに冬が長く暗い北欧では、この聖ルチア祭は大きな祭日になりました。この日には、それぞれの家庭の年長の女の子は朝一番に起きて白いドレスに赤いサッシュ(帯)を着け、頭にはろうそくの冠をかぶりって聖ルチアの姿になります。

ろうそくの冠は、生前に聖ルチアが洞窟やカタコンベ(地下墓地のイタリア語)などに隠れ住むキリスト教徒を夜訪ねて食べ物などの施しをする時に見えるように、そして両手でたくさん物を運べるようにかぶったと言われます。

そして、聖ルチアの姿をした女の子はコーヒーとサンタ・ルチア・バンズを家族の者にふるまいます。ここまで来て、やっとのことでサンタ・ルチアとバンズが結びつきましたね。(以上Wikipediaなどより)

というわけで、サンタ・ルチア・バンズは、主に12月13日に食べられるサフランが入った黄色い色をしたフワフワのパンです。でも、いつ食べても美味しいですよ。

サンタ・ルチア・バンズ − 10cm長さのもの6個分

材料:

・ 牛乳 − 50ml
・ サフラン − 親指と人差し指で軽く一つまみ − 無ければ省く
・ 小麦粉(パン用粉) − 200グラム + 打ち粉用に適宜
・ 赤サフ・インスタントイースト − 小匙1杯
・ ジャガイモ − 80グラム(小1個) −マッシュポテトにして50グラム使います。 
・ 塩 − 小匙半杯
・ 砂糖 −大匙2杯
・ 卵 − 大1個
・ バニラ香料 − 小匙4分の1杯
・ レーズン − 好みで12粒

手順: 

・ ジャガイモの皮を剥き一口大に切って茹でる。フォークがスッと通るように茹であがったら、水気を切り火にかけて軽く水気をとばし、ジャガイモを潰す。使うのは50グラムだけで、余ったマッシュポテトはオムレツに入れるなど適当に使って下さい。
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・ ジャガイモを茹でている間に、小鍋に牛乳、サフランとバターを合わせ、中火でぬるま湯程度に温めバターを溶かす。沸騰させる必要はありません。
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・ 卵を入れ物に割り入れ、白身を小匙1杯分とり除ける。この白身は後で艶出し用に使います。残りの卵を軽く溶き、バニラ香料を混ぜておく
・ ボウルに小麦粉200グラム、インスタントイースト、ジャガイモ50グラム、塩、砂糖を合わせ、温めた牛乳と卵を加えて混ぜる。ひと固まりにまとまったら、台に取り出し10分捏ねる。(ホームベーカリーの捏ね機能を使うと楽です。)
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・ 生地を分量外の植物油を塗ったボウルに入れ覆いをして暖かい所に置き、容量が3倍になるまで発酵させる。3倍にまでというのがコツです。温度にもよりますが、1時間半から2時間かかります。
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・ 軽く打ち粉を降った台に取り出し、6個に切り分け軽くまとめてサランラップでふんわり覆い10分休ませる。
・ 軽く打ち粉を降った台の上で、一切れを40cmの紐状に転がして伸ばす。伸ばした生地を伸し棒で平たくする。これで50cmくらいになるはずです。
・ 好みでレーズンを一粒端に置き、伸ばした生地の半分までふんわりと巻き上げる。生地を裏返し、残った半分を同様に巻く。伸ばした生地をふんわり巻くのが形成のコツです。
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・ このように形成した生地を天板に間を開けて並べ、サランラップで覆って30分休ませる。
・ 休ませ始めて15分後に取り除けておいた卵の白身をハケで塗り、また覆いをする。オーブンを点火し220℃に設定する。
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・ 生地を30分休ませたら、もう一度白身を塗り、温まったオーブンの中段で8〜10分よい焼け色が付くまで焼く。


このパンは出来立てが一番美味しいです。でも、2〜3日は室温で十分もち、トーストすると美味しくいただけます。冷凍もできます。

サンタ・ルチア・バンズは英語の言い方で、スウェーデン語ではルーシカッター(lussekatter)と言います。

<おまけ> − 惨憺た・るチア・バンズ

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サンタ・ルチア・バンズ
インターネットから拝借した画像


初めてサンタ・ルチア・バンズを作った時のことです。パンは焼いている間にも膨らむことを大幅に誤算して、焼き上がりと似たような形に形成しました。

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形成後         焼き上がり後

こういうのを「何たることかサンタルチア」っていうのでしょうね。

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
このような形状とは、思いもつかない形状ですね。本当にこの形は寺院仏閣の飾りや飾り罫線のようで、雲を表しているように見えます。サフランの色が暖かな空の雲をイメージしてしまいます。
聖人のお話や殉教など、歴史的に宗教は強い心を持たせてくれますが、相反して、命を奪うのですね。
時の権力者が悪人なんですけどね・・(泣)。
ベランダ脳負
2017/11/10 14:10
聖ルチアの像はリアルですねぇ。。と、セールスマンの守護聖人は…なのでしょう?
ジャガイモとサフランが入っているのですね。味はどんな感じだろう?
ballomam
2017/11/10 14:52
おやじギャグとは失敬な(笑)
ルーシーと聞いて最初に思い出すのはルーシー・ショーです。
しかし今日は読み応えのある枕でしたね。
カソリックにはこういう逸話がたくさんありますが、キリスト教が全世界に広く伝わる前には、あのバチカンのあるローマでさえこういう時代があったのですね。
それにしてもルチア像は凄いですね(@_@)
こういうパンをみると、今は亡きうきさんを思い出してしまいます
ところで、惨憺たるパンズはりすパンみたいな形をしていますが、わざとですか?

2017/11/10 15:03
ベランダ脳負さん、

サンタ・ルチア・バンズは、インターネットで何か面白いレセピはないかと探していた時見つけました。やっぱりこの形が一番に目に付きました。名前は、サンタルチアが馴染みのある言葉なので何だろうと思って調べると、興味深い話が出てきました。
殉教の話は、後に伝説化されたり美化されていますが、実際には残酷ですよね。でも、ローマ帝国の場合、キリスト教は国の制度を覆す勢力と見なされたので弾圧されました。こういう場合、物の見方によるので誰が悪人かという判断は簡単じゃないですね。
櫻弁当
2017/11/11 11:24
ballomamさん、

聖ルチアの像は一見美しい聖人の像のように見えます。でも、よく注意すると凄まじいですね。
セールスマンの守護聖人というのはいくつかの記事に出てきました。でもなぜなのか、探してみましたがとうとうわかりませんでした。
ジャガイモは、味というよりフワフワ感を出すために使われているようです。ジャガイモの代わりにサワークリームに似たチーズを入れる作り方もあります。サフランも色付けが主で、味はごくかすかです。
櫻弁当
2017/11/11 11:38
達さん、

おやじギャグとは何なのか、知りもしないで書いてしまいました。(笑)
サンタ・ルチア・バンズのレセピを見つけた時、面白そうと思いました。パン一つとっても、いろんな裏話があるものですね。
ローマ帝国では、もともとキリスト教徒は国の制度を脅かすと煙たがられていたようです。これは日本で江戸時代にはキリシタンが禁止されたのと共通点があるように思います。そして、303年からは大弾圧が始まりました。でもそれも10年も続かなかったようです。
宗教画や像にはそれぞれ意味や象徴が隠されているようですが、この像は随分はっきりしています。
うきさん、もし見ていたらこのパンも試してくださいね。(笑)
リスと言えば可愛いですが、焼き上がったのを見た時はこれはブタだと思いました。
櫻弁当
2017/11/11 11:58
サンタ・ルチアって女性だったんですね
知らぬこととはいえ「ナンタルチア!サンタルチア〜」と騒いでいたおじさんたちを許してねぇ
変わった形のパンですね リス(ブタ?)のも可愛いですよ
マーシャの乳母や
2017/11/22 21:38
マーシャの乳母やさん、

そうそう、イタリアの聖人なんですよね。サンタルチアという言葉は耳にするけれど、それが何なのか誰なのか、案外知らないものですね。それに日本語だとサンタル・チアと区切るところが違うので、ますますわかり難いです。(マクド・ナルドもそうですね。これはマク・ドナルドなんです。(笑))
リスブタパンも味は同じだし〜。(笑)
櫻弁当
2017/11/23 11:48

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